
- お知らせ
2011年3月11日。あの日から、もう15年の月日が流れました。まずは、東日本大震災により犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、今なお厳しい状況にある方、心に傷を抱えているすべての方々に、心よりお見舞いを申し上げます。
当時の私は22歳。大阪の空の下、テレビに映し出される信じられない光景を、ただ呆然と見つめていました。被災地のために何もできず、ただ日々をやり過ごしている「何者でもない自分」への嫌悪感と、得体の知れない焦燥感。あの時感じた、胸の奥がざわつくような無力感が、私を建設・環境の世界へ突き動かした一つのきっかけだったのかもしれません。
今は縁あって、アスベスト調査分析株式会社(ARA)の一員として、環境調査の仕事に携わっています。
震災直後、がれきの下で何が起きていたのか。私たちは後の調査結果から、その「リスク」の正体を知ることになります。当時、東北地方の沿岸部には多くのアスベスト含有建築物が存在していました。
ここで、当時の状況を物語る具体的なデータをいくつか振り返ります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002lp88.html
https://www.env.go.jp/jishin/asbestos_jointconf/conf009.html
ここで大切なのは、当時の混乱の中で必死に重機を動かし、道を切り拓き、街を片付けた建設業の方々を責めることではありません。あの未曾有の事態において、「まずは救うこと」「まずは通すこと」が最優先だったのは、疑いようのない事実です。リスクを承知で、あるいはリスクを考える暇もなく現場に飛び込んだ方々の献身があったからこそ、今の復興があります。
環境調査の立場から言えば、「アスベストは確実に除去・管理されるべき」という答えが正論です。しかし、瓦礫の山を前にした現場の苦悩もまた、真実です。
環境省が発行した災害時における石綿飛散防止に係る 取扱いマニュアル(後に改訂)などを見ても、平時のルールが通用しない局面での苦渋の決断が読み取れます。不適切な取り扱いが散見されたとしても、それは悪意ではなく、情報の不足や、スピードを優先せざるを得なかった当時の過酷な環境に起因するものでしょう。https://www.env.go.jp/content/000128426.pdf
私たちARAが、これから先の震災復旧・復興においてどうお役に立てるのか。それは、あの日私たちが抱いた「情報の空白」を埋めることにあると考えています。
あの時、22歳の私には何もできませんでした。
しかし今は、建物調査や顕微鏡の先にある小さな繊維を見逃さないことが、誰かの数十年後の未来を守ることにつながると信じています。
私たちは、環境調査という地味で目立たない仕事を通じて、同じような健康被害のリスクを少しでも減らせる社会を作りたい。その意欲を胸に、今日も現場と向き合っています。
本記事に関するエビデンスの詳細や、アスベストをはじめとする有害物質に関する技術的なご相談は、ARA(アスベスト調査分析株式会社)までお気軽にお寄せください。次世代に「負の遺産」を残さないための計画を、一緒に考えていきませんか。
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