2026年3月、ひとつの報道がありました。https://www.asahi.com/articles/ASV3R16DCV3RUNHB00GM.html
化粧品に使われるタルク(滑石)に、アスベストが混入していた可能性があるとして、元販売員の女性が中皮腫を発症し、労災認定されたという内容です。
■正直に言うと、「自分たちも無関係ではない」と感じました
このニュースを見て、過去の出来事として受け止めることもできると思います。
ただ、私たち自身の仕事に引き寄せて考えると、少しだけ引っかかるものがありました。
天然由来の原料を扱うことがある
海外製品や原料を仕入れることがある
すべてを自分たちで確認できているわけではない
どれも、特別なことではありません。むしろ、多くの現場で当たり前に行われていることです。
■誰も「危ないことをしている」とは思っていなかった
今回のケースもそうですが、当時はその仕事が危険だとは認識されていませんでした。
普通に働いて、普通に製品を扱って、普通に日々を過ごしていた。
それでも、結果として健康被害につながってしまった。
この事実は、少し重く受け止める必要があると感じています。
■時間が経ってから分かることがある
アスベストの特徴のひとつが、長い潜伏期間です。
30年、40年、場合によってはそれ以上。
今回も、わずか数年の業務経験が、長い時間を経て結果として現れました。
■「ちゃんとやっているのに」という感覚
メーカーさんや輸入事業者さんとお話ししていると、よくこういった声を聞きます。
原料メーカーを信頼している
書類はきちんと揃っている
これまで問題は起きていない
私たちも、その感覚はよく分かります。
実際、多くの現場では、できる範囲でしっかり対応されていると思います。
■それでも少しだけ残る不安
一方で、今回のような事案を見ると、
「本当にこれで十分なのか?」と感じてしまうのも正直なところです。
決して、何かが間違っているという話ではなく、見えていない部分が残っている可能性についてです。
■海外でも同じようなことが起きています
海外でも、タルクをめぐる問題は繰り返されています。
ベビーパウダーの問題
化粧品からの検出事例
製品回収
いずれも、「想定していなかった」という共通点があります。
■どう向き合えばいいのか
明確な正解があるわけではありません。
コストや手間の問題もありますし、すべてを確認するのは現実的ではないケースも多いと思います。
ただ一つ言えるのは、
👉 「どこまで確認しているか」を整理しておくこと
これだけでも、意味は大きいと感じています。
■一つの選択肢としての「測る」
例えば、
初めて扱う製品
海外からの原料
少しでも気になる点があるもの
こういったものだけでも、実際に分析してみる。
それだけでも、判断材料が一つ増えます。
■私たちができること
ARAでは、こうした製品の分析も行っていますが、正直に言うと、「すべて分析すべき」とは思っていません。
現実的には、
必要なところだけ
不安がある部分だけ
そういった使い方からスタートすることが大切と考えています。
【ARAの製品分析(建材以外)】
25,000円/検体(税別)5営業日程度
対象:粉体(カラーサンド等)・珪藻土製品・フィルター・がれき・化粧品など分析方法 jisa1481-1 (必要に応じSEM/XRD等で補助)
■最後に
今回の女性も、特別なことをしていたわけではありません。
ただ、日々の仕事に向き合っていただけでした。
それでも、時間をかけて影響が現れてしまった。
この話を「過去の出来事」で終わらせるのではなく、少しだけでも自分たちの仕事に引き寄せて考えてみる。
それだけでも、意味があるのではないかと思っています。
化粧品にアスベスト混入の可能性 中皮腫発症した元販売員の労災認定 [宮城県]:朝日新聞
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