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「石綿なし」がいちばん危ない?
2026年、建設業が本当に見直すべきアスベスト対応
アスベスト対応というと、除去工事や養生、廃棄物処理の場面を思い浮かべる方が多いかもしれません。ですが、2026年の今、行政が強く見ているのは工事前の事前調査、結果報告、現場掲示、記録保存まで含めた“入口の運用”です。実際、石綿事前調査結果の報告件数は、2022年度61.8万件、2023年度76.4万件、2024年度86.3万件へと増加しており、制度は完全に定着局面に入っています。 環境省 環境省 環境省PDF

しかも、報告件数の増加以上に重いのが行政指導の増加です。大気汚染防止法に基づく特定粉じん排出等作業場への行政指導は、2020年度4,679件から、2021年度7,881件、2022年度15,895件、2023年度17,847件、2024年度19,543件へと増えています。
工事の現場は、もはや「申請すれば終わり」ではありません。行政は、報告の有無だけでなく、報告内容が妥当か、掲示や保存が適切か、説明可能かまで見に来る時代に入っています。 環境省 環境省 環境省 環境省 環境省PDF
労基側の数字を見ても、甘い見通しは禁物です。厚生労働省の労働基準監督年報で確認できる石綿障害予防規則違反件数は、2020年515件、2021年524件、2023年742件、2024年985件。2024年は2020年比で大きく高い水準にあり、石綿対応が継続的な監督対象として定着していることが分かります。 厚生労働省 厚生労働省 厚生労働省 厚生労働省
では、何が実際に引っかかっているのか。ここが重要です。労働局の建設業一斉監督結果や自治体の公開資料を見ると、典型は事前調査結果の未掲示、未報告、記載不備です。
宮城労働局は2025年・2026年の監督結果で「石綿事前調査結果未掲示」「石綿事前調査結果の未報告」を明示し、石川労働局でも、解体対象建物の事前調査結果を見やすい場所に掲示していない違反が確認されています。
仙台市の実務資料でも、建設リサイクル法の届出はあるのに石綿報告がない、元請名が一致しない、分析箇所が空欄、目視だけで“石綿なし”とした根拠が薄い、といったミスが具体的に挙げられています。 宮城労働局 2025 宮城労働局 2026 石川労働局 仙台市
ここで、現場実務を知る人ほどハッとする話があります。
ある労基担当官の見解として印象的だったのが、「アスベストがあると報告している現場より、古い建物なのに“分析に因らず石綿なし”としている現場のほうが気になる」という言葉です。もちろん、これは公表された公式選定基準ではなく、一担当官レベルの実務感覚です。
ですが、この感覚は非常に本質的です。行政が見ているのは“石綿あり・なし”という結論だけではなく、その結論に至る調査の根拠が本当に持つのかという点だからです。

「古い建物」→「分析省略」→「根拠不十分」→「未掲示・未報告・記録不足」でリスク上昇】
つまり、本当に危ないのは「石綿が出た現場」だけではありません。むしろ危ないのは、古い建物なのに、十分な裏付けなく“石綿なし”で早く片付けてしまう現場です。そこに掲示漏れ、報告漏れ、調査記録不足が重なれば、行政から見れば単なるミスではなく、疑わしい整理に映りかねません。コンプライアンス上の勝負どころは、除去工事の最中ではなく、調査の入口にあります。
さらに2026年は、ルールがもう一段厳しくなりました。
環境省と厚労省は、工作物の解体・改修工事における事前調査も、2026年1月1日以降は資格者による実施が必要と明示しています。
これからは「調査したか」だけでなく、「誰が、どの資格で、どの根拠で調査したか」まで問われます。 環境省 厚生労働省 石綿総合情報ポータル

地域差も見逃せません。
2024年度の事前調査報告件数は東京都13.9万件、神奈川県6.7万件、愛知県5.9万件、大阪府5.6万件と大都市圏が上位で、行政指導件数でも東京都7,580件、大阪府1,376件、兵庫県1,187件、神奈川県988件と続きます。件数だけで優劣は決められませんが、都市部ほど案件も監視も多い傾向は明確です。 環境省PDF
アスベスト対応で企業を傷つけるのは、飛散事故だけではありません。
「報告していなかった」「掲示していなかった」「調査の根拠が説明できなかった」
――この初歩的な綻びこそが、発注者の信頼、工事の継続、企業のブランドを一気に揺るがします。だからこそ、現場任せの対応では限界があります。
ARAでは、アスベストに関する事前調査・報告フローの整理、現場掲示や記録様式の点検、社内ルールの見直し、教育支援まで、実務に即してお手伝いしています。大切なのは、問題が起きてから慌てることではなく、「見られても説明できる体制」を先につくることです。
2026年のアスベスト規制は、守る会社と取り残される会社の差をはっきり分け始めています。
“うちは大丈夫”を、感覚ではなく根拠で言えるように。ARAは、そのための現場実務を支えます。
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今日のARAトピック
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海外からアスベスト分析の仕事に就く人に向けてはじめに 日本で未経験からアスベスト分析の仕事を始めることは、外国人の私にとって新鮮で大きな挑戦でした。 アスベスト分析そのものだけでなく、日本語の専門用語や日本の職場環境についても学ばなければなりませんでした。振り返ってみると、最初は不安だった多くのことも、日々の研修と実践を通して少しずつ乗り越えることができました。初めて顕微鏡をのぞいたときの経験 最初に強く印象に残ったことの一つは、顕微鏡を使った観察でした。初めのうちは、光の強さや色合いに慣れるのが難しく、目が疲れてしまうこともありました。また、どこに注目して観察すればよいのかもよく分かりませんでした。しかし、繰り返し練習するうちに、顕微鏡の扱い方や試料の観察方法に徐々に慣れていき、顕微鏡で見える繊維のさまざまな形や見え方が興味深いと感じるようになりました。試料を見ながら、「この中にはアスベストがあるのかな」と考えながら探すことも面白かったです。繊維を見つけた後、特徴が分かりやすいように、きれいな画像を撮ることも楽しみの一つでした。 新しい用語や知識を学ぶ難しさ 研修の中でも特に難しかったのは、新しい専門用語や知識を覚えることで、「本当に全部覚えられるだろうか」と不安になることもありました。専門用語の中には母国語でも難しいものがあり、それを日本語で学ぶことは、私にとってさらに大きな課題でした。最初は限られた研修期間の中で習得できるかどうかプレッシャーを感じていましたが、毎日勉強と実践を続けることで、少しずつ用語や内容に親しみを持てるようになりました。 先輩社員のサポート 私を指導してくださった先輩社員はいつも気長に付き合ってくださり、理解できないことがあると何度でも丁寧に説明してくださいました。 答えが分からないときには、すぐに正解を教えるのではなく、考えるためのヒントを与えてくださることもありました。また、日本語の専門用語が理解しづらい場合には、英語での意味を確認しながら説明してくださり、大変助かりました。 さらに、「全てをすぐに覚えようと焦らなくてよいこと」や、「失敗を恐れなくてよいこと」も教えていただきました。そのおかげで、失敗も学習過程の一部であると理解できるようになりました。失敗をしてそれを修正し、再度挑戦することで少しずつ自分の分析に自信を持てるようになりました。 日本語環境のパソコンに慣れるまで 日本語環境のパソコンを使うことも、私にとっては大きな課題でした。最初は英語でキーボード入力をしていたため、日本語入力にはなかなか慣れませんでしたし、入力速度も遅かったです。しかし、毎日パソコンを使うことで徐々に慣れていきました。 この経験を通じて、日本で働くことを考えている海外の方々にとっては、専門知識だけでなく日本語の専門用語や漢字、そして基本的なパソコン操作についても事前に学んでおくことが大切だと感じました。Read More -
Working in Asbestos Analysis: A Guide for Overseas ApplicantsStarting a career in asbestos analysis in Japan as a foreign employee with no previous experience has been a new and challenging experience for me. I had to learn not only about asbestos analysis, but also Japanese technical terms and the Japanese workplace environment. Looking back, many things that worried me at the beginning became easier through daily training and practice.My First Experience Looking Through a MicroscopeOne of the first things that impressed me was looking through a microscope for the first time. At first, the colors and intensity of the light were difficult to get used to, and my eyes became tired. I also did not know exactly where I should look or what I should pay attention to. With practice, however, I gradually became more familiar with microscope and the way of observing samples.I became fascinated by the different shapes and appearances of fibers that can be seen under a microscope. While observing samples, I found it interesting to examine while wondering, “Could there be asbestos in here?” After finding fibers, one of the things I enjoyed was taking clear, high-quality images so that their characteristics could be easily recognized. Through these experiences, I think I gradually became more interested in microscopy and more comfortable using the microscope. The Challenge of Learning New Words and ConceptsOne of the most difficult parts of the training was learning new technical terms and concepts. I sometimes wondered, “Will I really be able to remember all of this?” Some technical terms were difficult to remember even in my own language, so learning them in Japanese was an additional challenge. At first, I felt pressure about whether I could learn everything within the training period. However, as I continued studying and practicing every day, the terminology gradually became more familiar. Support from My Senior TrainerThe senior employee who trained me was very patient and always willing to explain things repeatedly when I did not understand.When I could not come up with an answer, they sometimes gave me hints rather than simply telling me the answer. When a Japanese term was particularly difficult to understand, they also helped by checking the English meaning and explaining it to me. I was also encouraged not to rush to remember everything and not to be afraid of making mistakes. This helped me realize that mistakes are part of the learning process. By making mistakes, correcting them, and trying again, I gradually became more comfortable with the work.Getting Used to a Japanese-Language PC EnvironmentUsing a Japanese-language PC environment was another challenge for me. I had mainly used English when typing on a keyboard, so Japanese input did not feel natural at first. My typing speed was also slow at first. However, by using the PC every day, I gradually became accustomed to it.This experience made me realize that people from overseas may benefit from preparing not only professional knowledge, but also Japanese technical vocabulary, Kanji, and basic Japanese PC functions before starting work in Japan.Advice for Overseas EmployeesFor people from overseas who are planning to work in Japan, I think it is important not to worry about understanding everything perfectly from the beginning. Professional knowledge is important, but being willing to ask questions, learn from mistakes, and practice every day is just as important. If you are considering starting a career in asbestos analysis in Japan, I hope my experience can help you feel a little more prepared for your first step.Read More -
【9月1日リニューアル】アスレポLiteがもっと使いやすくなります!いつもお世話になっております。アスベスト調査分析株式会社です。 このたび、弊社のアスベスト事前調査サポートアプリ「アスレポLite」が2026年9月1日よりリニューアルいたします! 今回のリニューアルでは、画面のデザインや操作性を見直し、 よりスッキリと見やすく、より直感的に使いやすいサービスへと生まれ変わります。 これまでよりも、必要な情報が見つけやすく、スムーズに操作していただけるようになります。 ――― もっと見やすく、もっと使いやすく――― 「見やすい」「分かりやすい」「使いやすい」を目指して、より快適にご利用いただけるサービスへ進化しています。 以前アスレポLiteをご利用いただいていた方も、これまでご利用されたことがない方も、ぜひこの機会に新しくなったアスレポLiteをご覧ください。 なお、リニューアル後の詳しい操作方法や新しい機能については、改めてご案内いたします。 ぜひ次回のご案内もお楽しみに! 今後ともアスレポLiteをよろしくお願いいたします。 ※リニューアルに伴うサービス停止について※ リニューアル作業に伴い、8月31日(月)18:00 ~ 23:59はアスレポLiteをご利用いただけません。 9月1日(火)より、リニューアル後のアスレポLiteをご利用いただけます。 ご利用のお客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願いいたします。Read More -
熊本の復旧・復興を、ARAにできる方法で支えたいこのたびの熊本における地震により被災された皆さまに、 心よりお見舞い申し上げます。 被災された地域では、これから生活の再建だけでなく、建物の解体や改修、 復旧工事など、長い復旧・復興の道のりが続きます。 アスベスト調査分析株式会社(ARA)も、今回の熊本の復旧・復興に向けて、 私たちなりの支援を行います。 お金で支援する。仕事でも支援する。 ARAでは、開業以来、大きな災害が発生した際には、会社としてできる範囲で 寄付による支援を行ってきました。 今回の熊本地震に際しても、企業版ふるさと納税を通じて、熊本県内の7つの寄付先へ、それぞれ20万円、合計140万円を寄付しました。 これまで私たちが行ってきた寄付は、主に自治体を通じたものでした。 今回もまずは、被災した地域の復旧・復興に直接つながるよう、複数の自治体へ 支援を届けることにしました。 「企業版ふるさと納税」という選択肢 今回、私たちが利用したのが「企業版ふるさと納税」です。 企業版ふるさと納税は、企業が自治体の地方創生の取組みに寄付を行うことで、 税制上の優遇を受けられる制度です。 今回の熊本地震でも、被災自治体が復旧・復興のための支援を募っています。 もしこの記事を読んでいる企業の皆さまの中に、 「自分たちも何かできないだろうか」 と考えている方がいらっしゃれば、企業版ふるさと納税も支援方法の一つです。 今回の熊本地震を含め、災害時の緊急支援プロジェクトについては、 企業版ふるさと納税の総合窓口でも寄付先が紹介されています。 緊急支援プロジェクト|企業版ふるさと納税の総合窓口 「寄付をしたいけれど、どこに、どう支援したらいいのかわからない」という 企業の皆さまにとって、一つの選択肢になればと思います。 現場で活動する人たちにも、支援を託す 今回、ARAとして初めて、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンにも 寄付を行いました。 これまで自治体への寄付を中心に行ってきたARAにとって、新しい形での支援です。 ピースウィンズ・ジャパンは、国内外の災害などの現場で支援活動を行っている団体です。 今回の熊本地震でも、同団体が運営する「空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”」が 発災直後から現地に入り、医療・物資・レスキューなどの支援を行っています。 自分たちだけではできないことは、できる人に託す。 それも、企業にできる支援の一つだと考えました。 ピースウィンズ・ジャパン|令和8年熊本地震 緊急支援 そして、ARAには「生業」がある ここからが、今回私たちが一番伝えたいことです。 寄付をすることも支援です。 現場で活動する団体を支援することも支援です。 でも、ARAにはもう一つ、私たちだからこそできることがあります。 アスベストの調査・分析です。 災害が起きたとき、私たちはいつも、 「自分たちに何ができるだろう」 と考えます。 人命救助ができるわけでもありません。 避難所を運営できるわけでもありません。 大規模な復旧工事を担えるわけでもありません。 でも、ARAはアスベストの調査・分析を生業としています。 被災した建物の解体や改修が進められる中では、アスベストへの対応が必要になる場面があります。 だったら、 「ARAの生業でも、被災された方々の役に立ちたい。」 そう考えました。 今回、熊本県内で被災した建物を対象に、アスベスト分析を特別価格で受託する「熊本復旧・復興支援特別枠」を設けます。 支援の具体的な内容や対象、料金、ご依頼方法、注意事項などについては、 こちらのご案内にまとめています。 ▼ 熊本復旧・復興支援特別枠の詳しいご案内【下部添付のPDF参照】 分析会社だからこそできる支援をする。 それが、今回の私たちのもう一つの支援です。 これまでも、できることを。 ARAではこれまでにも、能登半島地震、大船渡市の林野火災、佐賀関地域の大規模火災など、大きな災害が発生した際に、その時々で会社としてできる支援を行ってきました。 災害が起きるたびに、被災された方々のために多くの人や企業が動きます。 私たちも、その中の一社でありたいと思っています。 大きなことができなくてもいい。 できることを、できる範囲で。 そして、せっかくなら、 自分たちの生業を通じても役に立ちたい。 今回の熊本への支援は、そんなARAの考えを形にしたものです。 熊本の次に、千葉へ 現在、まずは熊本への支援を進めています。 そして、熊本の支援について段取りがつき次第、令和8年8月千葉豪雨による被災地域についても、寄付による支援を行う予定です。 災害は、いつ、どこで起こるかわかりません。 だからこそ、一つの災害だけを見て終わりにするのではなく、その時々で自分たちにできることを考え、支援を続けていきたいと思っています。 熊本の一日も早い復旧・復興を願って 寄付によって支援すること。 現場で活動する人たちに支援を託すこと。 そして、自分たちの仕事によって支援すること。 そのどれもが、私たちにできる大切な支援だと考えています。 ARAにできることは、決して大きなことではないかもしれません。 それでも、困っている人がいるときに、 「自分たちには何ができるだろう」 と考える会社でありたい。 そして、 「ARAだからできること」 で役に立てる会社でありたい。 今回の取り組みが、熊本の復旧・復興の一助となれば幸いです。 被災された皆さまが、一日も早く安心して暮らせる日を取り戻されることを、 心より願っています。 アスベスト調査分析株式会社(ARA) 被災建築物のアスベスト(石綿)定性分析 特別受託のご案内ダウンロードRead More -
【速報】東京メトロ運休事故に学ぶ――キャンバス継手の破断とアスベスト飛散リスク2026年8月、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅のホームにおいて、空調吹出口から異物(糸くず状)が散布され、 始発から約14時間にわたり運転見合わせとなる事故が発生しました。 報道等によると、原因は換気設備内の送風機とダクトを繋ぐ「キャンバス継手(たわみ継手)」が破断し、ファンに巻き込まれて細かく破砕・散布されたもので、素材にアスベスト(石綿)が含まれていました。 なぜ送風設備の内部からアスベストが目に見える形で噴出してしまったのか。 今回は既存の公的資料やメーカー・法令情報をもとに、部材「キャンバス継手」の建材特性、流通年代のリアル、そして点検管理の難しさを紐解きます。 1.建材「キャンバス継手」の物理的特徴とアスベスト含有率 「キャンバス継手(たわみ継手)」は、大型送風機(ファン)の稼働時に発生する強烈な振動を金属ダクトに伝えないよう、接続部に挟み込む柔軟な布製部材です。耐火性・耐久性が重視されたため、かつては高濃度のアスベストクロス(石綿布)が広く用いられていました。 使用されたアスベスト種: 主にクリソタイル(白石綿)が使用されました(一部の耐熱・高温仕様ではアモサイトやクロシドライト等の可能性も指摘されています)。 含有率と飛散リスク: 布地(織物)そのものが石綿糸で織られているため、製品としての含有率は約70%〜80%以上(重量比)と非常に高濃度です。作業区分としては原則「レベル3」ですが、高濃度アスベストかつ布製品のため摩耗や破砕時の発じん・飛散リスクはレベル3の中でも高めです。 2.キャンバス継手にアスベストが使われていた年代 キャンバス継手のアスベスト含有製品がいつまで使われていたかについては、 「公的標準仕様書の改定」と「法令上の製造・使用制限(実態としての流通)」の2つの側面から整理する必要があります。 区分使用・流通の時期建設省仕様書による切替一般空調用は昭和56(1981)年度(ガラスクロスへ変更)、排煙用(高耐熱)は平成元(1989)年度(ロックウール等へ変更)が標準指針上の境界線です。実務・法令上の流通実態民間工事や既存在庫を含め、労働安全衛生法施行令で0.1%超の製造・使用が全面禁止された2006(平成18)年9月まで広く流通。さらに一部の猶予措置が全廃された2012(平成24)年3月に完全禁止とされました。 つまり、1950年代から2006年9月(一部は2012年)までに建設・改修工事が着工された設備には、アスベスト含有キャンバス継手が存在する可能性を当然に考慮しなければなりません。 メーカー側の単独資料(および工業会資料など)で具体的商品ごとの製造開始・終了年を網羅的に公表しているのはごく一部であり、「キャンバス継手 全メーカー横断の製造年表」は公開情報としては現存しないと判断しています。 3. 送風設備ゆえの二重の危険性と点検管理の難しさ 一般建材と異なり、送風設備内での破砕は「ファンの回転による強制破砕」と「風圧による室内への強制搬送」が同時に起こる点がきわめて特殊です。 一方で、現場の管理視点で見れば、キャンバス継手はパイプスペースや天井裏奥深の隠蔽部にあり、昭和56年以降普及した無害な「ガラスクロス」と過去の「石綿布」は目視で判別が難しい傾向にあります。 大型設備や特定の条件下では、稼働中は触れることもできず、点検のハードルは極めて高いのが実状です。 4. 「解体時の事前調査」から「予防保全のための調査」へ 従来、アスベスト調査といえば「解体工事や大規模リフォームの直前に行うもの」という認識が主流でした。 しかし、今回の事故が提示した最大の教訓は、「日常稼働下において、建物の高経年化によって設備部材が限界を迎えて破損・飛散する」という点です。 いざ破損やほつれが発生してから「これはアスベストなのか?」と慌てて分析を開始するのでは遅く、 緊急の運転停止や、専門工事業者の緊急手配、過剰な安全対応を迫られることになります。 だからこそ、特に可動部・振動部に関わる設備建材については、日常の予防保全の一環として「前もって含有の有無を調査・データベース化しておくこと」が極めて重要です。あらかじめ把握できていれば、定期修繕や更新工事のタイミングに合わせて計画的に非石綿品へ交換することが可能になります。 5. 考察・まとめ:見た目では分からないからこそ、事前分析で安全を守る ガラスクロスと石綿クロスを外観や経年だけで見分けることは難しいとされています。いざというときに慌てないためにも、また大切な施設や利用者の安全を守るためにも、前もって正確な調査・分析を行い、根拠のある管理体制を敷いておくことが現場管理者にとって最大の防御となります。 ■ 前もって調べる・備える分析&改修サポートはARAへ 「自社ビルや管理物件の設備、設置年代的にあらかじめ調べておきたい」 「万が一含有していた場合、どのようなスケジュールで改修工事を進めればよいか相談したい」 少しでも不安や疑問をお持ちでしたら、ぜひアスベスト調査分析株式会社(ARA)にご相談ください。 当社では、予防保全のための迅速・正確な定性・定量分析はもちろんのこと、含有が判明した際のリスク評価、飛散防止対策、専門業者と連携した計画的な除去・改修工事のお手伝いまで、ワンストップでサポートいたします。 いざというときに焦らないための「事前調査」。まずはお気軽にお問い合わせフォーム、またはお電話にてご相談ください。 ※注記 本記事は、報道機関による公表情報および東京地下鉄株式会社等のプレスリリース、ならびに省庁告示・建設省仕様書・メーカー公表データ等の一次・準一次資料に基づき、専門分析機関の視点から技術的背景を解説するものです(当社による独自の直接取材に基づく報道ではありません)。Read More